令和6年4月1日から施行される改正不動産登記法について。 立川正雄弁護士ほか 不動産フォーラム21より。
第1 相続登記義務化について 相続登記が義務化されると、具体的には、相続が開始し
たあと、いつまでも相続登記をしなければならないのか。
1、改正前不動産登記法では、相続が発生した場合でも、相続人に相続登記を申請す
る義務はありませんでした。
2,しかし、相続の発生後、長期間にわたって相続登記が行われないと、被相続人名
義のままの不動産が放置され、その後何代にもわたって相続が発生することで、
相続対象不動産の所有者を把握することが困難となる。
3、そこで、所有者不明土地の発生を防止することを目的として、不動産登記法の改
正により、相続登記が義務化されることになった。
4、これにより、相続または遺贈によって不動産の所有者を取得した相続人は、①自
己のために相続開始があったことを知り、かつ、②当該不動産の所有者の所有権
を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記(相続登記または遺贈を原因
とする所有権移転登記を申請しなければならないこととされた。
(改正不動産登記法第67条の2第1項)
5、なを、遺贈については、あくまで相続人が遺贈を受けた場合に限り登記申請が義
務化されており、相続人以外の第三者が遺贈を受けたとしても登記申請義務はあ
りません。相続人が遺贈を受けた場合に限り、登記申請が義務化されたのは、相
続登記の義務化の範囲をどこまで含めるかという議論がなされ、相続人が遺贈を
受けた場合に限り、相続と同じく登記を義務化しようという議論に落ち着いた
ためです。
6、正当な理由なく、この登記申請を怠った場合には、10万円以下の過料が科せられ
るとなっている。(改正不動産登記法第126条)
※ 遺贈(いぞう)とは、遺言(ゆいごん)によって、財産を相続人以外の者におくる
こと。
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